伊勢氏(いせし)とは、日本の氏族で、4系統ほど分かれている。
- 伊勢氏 (中臣氏) : 中臣姓の伊勢国造(伊勢直)の一族が、伊勢国鈴鹿郡(現在の三重県鈴鹿市/亀山市の一部)を拠点として、康和元年(1099年)10月に伊勢国の三重郡司として赴任した事項が見られる[1]。藤原氏は同族にあたる。
- 伊勢氏 (平氏) : 桓武平氏貞盛流の平季衡の子の伊勢盛光[2]を祖とする。前述の中臣姓伊勢氏同様に伊勢国鈴鹿郡を拠点とした。伊勢平氏の直系の平家(六波羅氏)は惣領家にあたり、同族に伊勢関氏・小松氏・池氏があった。室町時代に遠縁筋の足利将軍家に仕え、政所執事となった。戦国時代には一門の備中伊勢氏[3]から分かれた相模国の北条伊勢家(相模平氏)などの庶家が出た。
- 伊勢氏 (丈部氏) : 武蔵伊勢氏とも呼ばれる。武蔵国児玉郡伊勢郷(現在の埼玉県本庄市全域/深谷市・熊谷市の一部)を本拠地とした豪族で、丈部(はせつかべ)姓有道氏の系統である児玉氏(児玉党)の庶家にあたる。
- 伊勢氏 (薩摩国) : 薩摩伊勢氏とも呼ばれる。上記の桓武平氏頼盛流の池氏の後裔と自称した薩摩国の有川氏の庶家。有川貞則の子の貞真が外祖父の伊勢貞良の養子となって、代々が島津氏の家老として仕えた。