Japan
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ノシロ語(のしろご、NOXILO)とは、水田扇太郎(みずたせんたろう、1948年 - )によって発案された国際補助語案。使用者が母語に合わせてSOV・SVOの2つの文型を自由に選択できるといった特徴を有する。

概要[]

テンプレート:注意

ノシロ語は東京都出身の水田扇太郎によって平成元年(1989年)頃に考案され、平成8年(1996年)に内外ケアーから、翌平成9年(1997年)に泰流社から書籍(ISBN 4-8121-0221-9)を出版している(現在は絶版)。2014年現在も公式ウェブサイトにおいて活動を行っている。ノシロ語は以下のような言語であるとされる。

  • ノシロ語は21世紀の人工国際補助語であり、目指すところは同じく人工言語であるエスペラント語のそれに近い。
ヨーロッパ発のエスペラント語は元になった欧米の言語の話者に有利であるという不公平、不平等さを有するのに対し、ノシロ語は日本発で世界中の人々に、ほぼ平等であることを目指して作られたという違いがある。このため特定の言語圏の人だけが有利になったり不利になったりする不平等は殆ど無く、さらに欧米至上主義、人種差別男尊女卑の思想も全く無い。
不規則変化のような無駄な規則や古い文化の踏襲を無くすように設計された人工言語であるため、短い学習時間で習得が可能である。
  • あらゆる言語を正確に翻訳できる中間言語としてもアピールされていて、ノシロ語を利用すれば常時100%の翻訳精度を実現できる 国際携帯電話やメールソフトを作ることも可能だとされる。
  • 発音文法単語文字などの面で選択肢が多い。
発音は音節末子音に規則的に母音を挿入することを選べる事で、日本語のように開音節を主とした発音でも、英語のような閉音節を主とした発音でもよい。
使用者はSOV・SVOの2つの文型から選択して使用することができる。(VSO文型という選択肢も2012年現在計画されている。)
単語には約540語の「ノシロ基本単語」と約13300語(2012年6月現在)の「ノシロ国際標準単語」がある。以前は約4000語の「ノシロ友好単語」が用いられていたが、現在は廃止されている。電話やメールなどにおける使用と自動翻訳機能の搭載を前提として、国際標準単語を用いずにその他の言語の単語を使ってもかまわない。
文字はローマ字を用いて記述されるが、独自に考案された「ノシロ文字」で記述することも可能であり、コンピュータ用のノシロ文字フォントも作成されている。
  • エスペラント等の人工言語に対し「アジアの言語もよく考慮した人工的国際言語」としてノシロをあげる書籍もある[1]

ノシロ語の表記体系[]

ノシロ文字一覧[]

ノシロ語は通常、ローマ字で記述されるがノシロ文字という独自の文字もある。 現在は下画像とは異なる、新しいノシロ文字が公開されているため、公式サイトを参照のこと。

ファイル:Noxilo moji ichiran1.jpeg

表記体系[]

現在一般には、ノシロ文字に対応するローマ字を用いて表記される。内容語としては各言語からの流用が認められ、どんな文字でも使用可能である。以下では機能語となるノシロ基本単語やノシロ国際標準単語を記すのに用いられるローマ字表記について述べる。

基本的に使用されるのはAからZの26文字の大文字と、小文字yとn、及びいくつかの記号である。また対応するノシロ文字は用意されていないが、小文字 u, i, m なども使用例がある。このほかの小文字は将来的には元素記号などを表すことになるだろうとされる他、大文字の使用に慣れない場合には _ (アンダーバー)を語の前に付すことで対応する小文字で書き表すことも可能である。以下の記述では大文字を中心とした表記体系を用い、対応する音価については [ ] で囲ってこれを示す。

母音[]

母音としては短母音A, E, I, O, U 及び対応する長母音としてAA, EE, II, OO, UU が使用される。ただし母音 [U, UU] が前に子音を伴う場合は、短母音 U は表記されず、長母音 UU は U と表記される。さらに子音の後で表記されない短母音 [U] の後に他の母音が続く場合は ' や・で区切る必要がある。ただし事実上現行の基本単語や国際標準単語にはそのような母音の連続は極めて少ない。

例)子音のあとに母音 [U] が現れる場合

短母音

Ky [キュ] (形容詞節を導く節理詞)

長母音

CU [ツー] 「歌う」

短母音+その他の母音

Ny'I [ニュイ] 「夜」

長母音+その他の母音

KUI [クーイ] 「食べる」


これは一見、常に母音 [U] を有する音節文字とその他の母音記号 A, E, I, O などを組み合わせるアブギダタイプの文字であると見ることも可能である。ただ、母音記号の付されていない子音記号は環境によって単独の音節末子音となることも可能である。

子音[]

子音としては母音として使用されるA, E, I, O, U 以外の21字および y, n が使用される。y は専ら日本語の拗音にあたる渡りを伴う半母音として他の子音の後に付して用いる。なお、ノシロ文字では y と母音を組み合わせた yA, yOO などのような表記に対応する文字が用意されており、一見 y は母音に属するものであるかのように見えるが、標準単語を構成する部首の扱いを見る限りでは y は子音に付加する記号であると見るのが自然である。

また上記のように、n 以外の子音は単独で母音 U を伴う音節を示す。しかしノシロ語では基本的に文字1字だけからなる語は想定されないため、HA 「何」のような1音節の語が認められても、M のように母音 [U] を伴い1音節を成している語でも1文字からなる場合は語として認められない。MU「見る」(U は長母音 [UU] を示す)や、短母音でも My「(名詞節を導く)~ということ」などは語として認められる。1文字から成るように見える -O, -T, n などは助詞であり、語とは認められない。

さらにこうした母音字の付されない子音字は、開音節の後ろでは母音 [U] を伴わない音節末子音として読んでもよい。また語中で同一の子音字が並んだ場合も、その前者は母音を伴わないものと見做され長子音と判断され得る。こうした母音の有無は、使用者が母語の感覚に合わせて選択可能なものである。基本的に子音字が複数並んだ場合、無声破裂音 K, T, P は前後どちらかに母音が無くてはならない。

例)

ULVS [ウルヴス] 「使う」 L, V, S の後に母音 [U] は有っても無くてもよい。
KRn [クルン] 「半分」R の後には母音 [U] が有っても無くてもよいが、無声破裂音である K の後には母音 U があるものとして発音する。n の後に母音 U を付けて読むことは無い。

n は専ら音節末子音となる。鼻子音としての素性を保ったまま、後続子音などの環境に応じて異音が生じ得る。

アクセント[]

強勢アクセントで、第1母音に置かれる。 長母音と促音を構成する連単語は第3母音にも置かれる。

その他[]

一部の助詞は、母音が省略された形式をとる。また一部の助詞や準動詞は、語幹に付すときに -(ハイフン)を付す。

例)

要素助詞

-L [-OL] 修飾節中の目的語
-Q [-EQ] 修飾節中の補語

時制助詞

-T [-TA] 過去形
-R [-RE] 未来形

この他、連結助詞 <(1類用), >(2類用)はいずれも [ン] と読み、ハイフンなど読み方の無い他の記号とは区別される。

品詞[]

ノシロ語には、名詞代名詞動詞助動詞準動詞形容詞副詞、修飾詞、構成詞、節理詞、助詞、自然詞があるという。これらは形態論的な観点から分類されたものというよりもむしろ意味的な分類であり、学習上の便宜を図ってのものであると見られる。名詞および動詞はその語幹の形態からは品詞を判断できないが、付しうる助詞が異なり、文中の要素を住み分けることで分類される。一方でこうした助詞を付すことの無い修飾詞・構成詞などは形態的に似通ったグループを成し、見た目から品詞を推測することが出来る。準動詞や節理詞、助詞などのように語としての独立性の極めて低いものもある。

名詞・代名詞[]

名詞は要素助詞を付すことで文の主語や目的語、補語などの主要素となりうる。また修飾詞に支配されるのも基本的に名詞が担い、この場合要素助詞などは要さない。いわゆる数詞は名詞的にも使用可能だが、品詞としては形容詞に属する。代名詞は、その用法からして名詞の下位分類と言えるが、複数形や一部の格など一般の名詞とは異なる振る舞いを見せる。

ノシロ語では要素詞または要素助詞と呼ばれる助詞を名詞に後続させ、かつ上記の文型で見たような語順で以て文中の働きを示す。格を示す要素詞は以下の通り。[ ]は読み方を示す。

要素詞 主節または名詞節で 修飾節(形容詞節・副詞節)で
主語主格 -W [ワ] -W [ワ]
目的語目的格 -O [オ] -L [オル]
補語 -E [エ] -Q [エチュ]

※初学の段階では-W を-WA、-L を-OL、-Q を-EQ と記しても良い。

このように格を示す要素は文の主要素である主語・目的語・補語と基本的に不可分であり、逆に言えばこうした格標識と語順によって二重に文中の働きが示されると言うことになる。これらは主節と従属節を明確に区別するため、それぞれにおいて目的語と補語は異なる格標識が用意されている。

主格は、文の主語を示すのに用いられる。代名詞はこの主格の要素詞を付さずに主語となることが可能である。

目的格は、文の間接・直接目的語となりうる。間接か直接かは、文意より判断することになるが、間接目的語と直接目的語が両方現れる場合には間接・直接の順に並べることになっており、語順でこれを判断できる。間接目的語については修飾詞 UT / UTL によっても表現可能で、誤解を避ける場合はこちらを用いるのが無難。

なお、SVOO / SOOV 構文で、かつ O1 O2 の O2 が動詞である場合、O1 が主文の目的語であると同時に O2 の動詞から見ると主語となることがある。この場合は、主語・目的語いずれの標識も付けない。

補語は、SVC 構文において主語と同一と見做されるもの、SVOC 構文において目的語と同一と見做されるものを示すもので、これが使用可能な文型・動詞の種類は限られる。従ってこの補語成分については他の要素によって働きが明確である場合があり、そういう場合は要素詞を省略しても良い。

この他、名詞が直接修飾成分になる場合や、修飾詞に支配される場合は、こうした要素詞を付さない形式が用いられる。

  • 部首と派生

名詞はノシロ語において最も基本的な品詞であると見なされ、ノシロ国際標準単語を構成する部首も多くがこの名詞に宛がわれている。多くの動詞やその他の品詞は、名詞に派生接辞(変換助詞)を付すことで作られる。多くの場合、物質名詞は子音で、非物質名詞は母音で始まる部首を用いるが、これはあくまで部首の分類における法則で実際の名詞はこれに従わないものも多い。

他の品詞から名詞を派生する変換助詞としては、TI および En がある。

  • 代名詞

代名詞は、人称代名詞とその派生、疑問代名詞、指示代名詞、不定代名詞、否定代名詞がある。このうち指示・不定・否定代名詞は分類上は代名詞だがその機能としては名詞と変わらない。人称代名詞とその派生である人称再帰代名詞、人称所有代名詞と疑問代名詞には、主格の -W が使用されないこと(語順のみで主語であることが示される)、所有形(「~の」)を有することといった特徴があり、さらに人称代名詞の類には単数と複数の対立がある、といった特徴がある。以下に人称代名詞とその派生した形式を示す。

人称 単数 複数 再帰単数 再帰複数 所有単数 所有複数
1人称 SE SEN SEL SENL SEM SENM
2人称 ME MEN MEL MENL MEM MENM
3人称(人) FE FEN FEL FENL FEM FENM
3人称(不定) JE JEN JEL JENL JEM JENM
3人称(モノ) TE TEN TEL TENL TEM TENM

このように、基本形となる人称代名詞は全て母音 E を有する短音節で構成され、複数形はこれに N を付して示される。3人称は人・モノの区別の他「誰か」という不定の範疇を示す代名詞もある。3人称の人を示す代名詞は、男女の性別を示すために男性なら MA、DA をそれぞれ付して MAFE「彼」DAFE「彼女」のように表現することが可能。再帰「~自身」および所有「~のもの」は、こうした基本形にそれぞれ L、M を付すことによって示される(所有代名詞の場合3人称モノの TE は使用されない)。

これらと疑問代名詞には、「~の」という意味を示す所有形があり、代名詞の末尾に I を付すことで示される。

動詞・助動詞・準動詞[]

動詞は時制助詞などを付して文の述語(V)となりうる唯一の品詞である。助動詞は動詞を修飾する機能のみを有する副詞である。副文を成す場合は、述語たる動詞に準動詞と呼ばれる助詞のような要素を付す。ここではこれらを一括して扱う。

  • 動詞の活用

動詞の活用は、「動詞-時制助詞-進行助詞-態助詞」の順番で付し得る助詞によって示される。それぞれの助詞には、その助詞が付されない無標の形式と対立する意味を有する。-(ハイフン)は基本的に動詞(語幹)の直後にのみ付され、複数付されることは無いし全ての助詞が付されない場合にはハイフンも不要である。動詞に付される助詞は以下の通りである。

時制助詞: -T [TA], -R [RE]

時制助詞は、現在・過去・未来の三時制を示す。無標の形では「現在」を、-T は「過去」を、-R は「未来」をそれぞれ示す。主文以外の位置では、「現在」が「主文と同時」、「過去」が「主文の時制より前」、「未来」が「主文の時制より後」であることを示す。これを「時制の調整」と呼ぶ。

進行助詞: -In

進行助詞は、アスペクトを示す。無標の形では非進行、すなわち進行アスペクト以外の無標アスペクトを示し、-In が付されると進行アスペクトを示す。

態助詞: -ZE

態助詞は、態を示す。無標の形で能動態を、-ZE を付した形で受動態を示す。多くの場合、対応する自動詞と意味的に近似になり得る。受動態は、本来の他動詞の目的語を主語に昇格する操作であるので、基本的に -ZE は他動詞にしか付されないものと思われる。なお、使役などの態は後述の不定動詞によって表現される。

  • 複数の動詞の組み合わせ

動詞は、ある種の動詞と組み合わせることで多様な意味を派生し得る。

①複数の動詞が、単純な時間的関係を示す場合 一つの文に複数の動詞があり、それらが単純な時間的関係を示す場合(例えば「○○してから、○○する」)、構成詞(接続詞に当たる)を用いて動詞を並べる。目的語の取り違えなどの誤解が生じないような単純な文の場合はこれを省略して句点やコンマを付すだけでも良い。使用可能な構成詞としては、OnD, OZn などがある。前者は二つの動詞によって示される動作が同時に起こると言う可能性もあるが、後者はあくまでも時間の前後関係があることを示す。また構成詞で結ばれる動詞のうち先に現れるものは非主文と見なされ、上記の「時制の調整」に従った時制助詞を付す必要がある。

②不定動詞との組み合わせの場合 不定動詞とは、URUZ「~するように見える」、APLIS「好く」、IYAnS「欲する」のような、思考、好き嫌い、願望などを表す動詞であるとされる。これらは他の動詞(特定動詞)と組み合わさり「○○するように見える」「○○するのが好きだ」「○○したい」ということを表現することが可能である。この場合、連結助詞 <, > [ン]を用いて接続する。1類・2類で使用する助詞が異なり、動詞の順番も異なるので注意。1類では 特定動詞 < 不定動詞、2類では 不定動詞 > 特定動詞、の順番で並べる。連結助詞の読み方はいずれも [ン]。

③使役動詞などとの組み合わせの場合 使役動詞は、日本語でいう「~させる」にあたる使役態を表現する場合に用いる動詞で、LEEN (承認、放任)、BLE (使役)、BLU (丁寧な使役)、 IYX (事実に反する希望) などがある。これらは主文の本動詞として扱われ、意味の中心を担う動詞は目的語の位置に組み込まれる。この場合、目的語であることを示す助詞は使用せず、準動詞(後述)や節理詞は付さなくてもよい。この目的語の位置に組み込まれた動詞の意味上の主語は、無標の形で示される。いわゆる知覚動詞も、これと同様の構文で「○○するのを見る/聞く」などのように表現が可能。この点、②と異なることに注意したい。

  • 助動詞

助動詞という名称が与えられているが、機能上動詞とは異なり、もっぱら動詞を修飾する語であると言い得る。助動詞は全て GI で始まる。動詞の前に付され、動詞にモーダルな意味を付与する機能がある。

  • 準動詞

これも純然たる品詞分類ではなく、正確には次の二つの意味を表す。一つは、副文を構成する節を成す動詞形態のことを示し、もう一つはこれを成すために動詞に付される助詞のようなものを指す。この準動詞には凡そ3種類あり、その動詞述語が名詞節を成すことを示す動名詞と、形容詞節を成すことを示す動形容詞、副詞節を成すことを示す動副詞である。

  • 部首と派生

身体動作を示す動詞については、その身体部位によって若干の部首が用意されている。

KU, GU, SU, CU, RU(口の動作を示す部首)

TU, DU, NU, FU, PU(手の動作を示す部首)

多くの場合動詞は名詞などに派生の助詞を付して生成される。他動詞は S または P、自動詞は Z または B を付す。

形容詞・副詞[]

いずれも他の語を修飾する機能を有する。類に関係無く、被修飾語の前に置かれる。

修飾詞[]

いわゆる接置詞で、英語の前置詞に当たる。1類では被支配語の後に置かれ後置詞となり、2類では被支配語の前に置かれ前置詞となる。両者の混同を避けるため2類では L が付された形を用いる。基本的に全て O 以外の母音で始まる。

構成詞[]

いわゆる接続詞。基本的に O で始まる。

節理詞[]

複文を構成するのに用いられる。英語でいう関係代名詞に似た機能を果たす。

助詞[]

上に既に述べたような、いわゆる接辞などがこれに属する。他の品詞と異なり独立性が低く、単独で用いられることはない。文法的なものと派生的なものがある。

自然詞[]

いわゆる感嘆詞や擬音語のような自然の音を表したものなどの類が属する。2011年9月現在 AA, OO, SOO のみが挙げられている。

文型[]

ノシロ語はSOV型の1類と、SVO型の2類という二つの文型を使用することができる。これは使用者が母語に合わせて自由に選択できるようにしたものであり、基本的にこの語順の異なり以外は1類・2類の間の違いは少なく、いずれも互いに理解することは難しくないという。

文の要素としては主語(S)、動詞(V)、補語(C)、目的語(O)が設定されている。これらはそれぞれ、語ではなく節を成すこともある。主語・補語・目的語は、主として名詞が担う一方、述語としては動詞しか使用されえないため、これがそのまま文の要素として認められる。こうした文の要素は基本的に必須要素であるが、こうした要素を欠く例外的な文も存在する。ノシロ語で使用される文の構造には、次のようなものがある。

1類: SV, SCV, SOV, S(OaOb)V, S(OC)V

2類: SV, SVC, SVO, SV(OaOb), SV(OC)

このように、目的語(O)および補語(C)と動詞(V)との関係が1類と2類で正反対になる。こうした位置関係は副文などにおいてもこれに準ずる。

また文の要素とは別に、形容詞や副詞や準動詞がふされた動詞などからなる修飾語や修飾節などがある。このうち1語からなる修飾語は類に関わらず被修飾語句の前に付すが、2語以上から成る修飾節などは、1類では被修飾語句の前に、2類では被修飾語句の後ろに置くと言うようにやはり位置関係が正反対になる。

数詞の一例[]

ノシロ語 読み方 採用言語
0 XUNyA [シューニャ] サンスクリット
1 WAn [ワン] 英語
2 NI [ニ] 日本語
3 SAM [サム] 朝鮮語
4 SII [スィー] タイ語
5 LIMA [リマ] マレー語
6 ZEKS [ゼクス] ドイツ語
7 SABAA [サバー] アラビア語
8 WIT [ウィトゥ] フランス語
9 KOO [コー] ビルマ語
10 TIO [ティオ] スウェーデン語
100 STO [スト] ロシア語
1,000 MILA [ミラ] イタリア語
10,000 MAn [マン] 中国語
100,000,000 OK [オク] 朝鮮語
1,000,000,000,000 TERA [テラ] ギリシャ語
10,000,000,000,000,000 JIn [ジン] 中国語

(注)数詞9は2004年2月にNAInからKOOに、数詞1は2005年4月にIIからWAnに、数詞兆、京は2011年8月にQO, KyOnからTERA, JInに変更された。
数詞は基本的にノシロ友好単語からそのまま引き継がれている。

あいさつの一例[]

自分が使用するのが1類か2類かを明示するために、1類ならばFIINAフィーナ、2類ならALOOアローと挨拶する。いずれもおおよそあいさつ「こんにちは」に相当し、会話や手紙文の最初に用いる。3類ではSALAMサラムが使用される見込みである。

その他は1類・2類とも共通で、友好単語から引き継がれた次のようなものが用いられる。

括弧内は採用した言語

  • おはよう HAUハウ (ラコタ語)
  • こんばんわ BOnSOWAAボンソワー (フランス語)
  • さようなら KWAHELIクワヘリ (スワヒリ語)
  • ではまた ABIAnTOアビアント (フランス語)
  • 又お会いしましたね (向こうへ行ったと思ったけど…) SAIInサイーン
  • おめでとう MABLUKマブルーク (アラビア語)
  • ありがとう ASAnTEアサンテ / KAMSAカムサ (スワヒリ語/ 朝鮮語) 動詞 KAMSASカムサス も使用可。
  • どういたしまして PARAKAALOパラカーロ (ギリシア語)
  • ようこそ WELKAMウェルカム (英語)
  • ごめんなさい IZVINIIイズビニー / SOORIIソーリー / IZVINIITIEイズビニーティエ (ロシア語 / 英語 /ロシア語)

参考文献[]

  • 『ノシロ -- 日本で生まれた共生時代の簡易言語』泰流社 ISBN 4-8121-0221-9 1997年6月刊行

ノシロ能力認定試験(ノシロ語検定)3級を無料で受けられる申し込み書付き。

  • 「人工言語ミニ事典 ノシロ語(水田扇太郎)」 『月刊言語』2006年11月号(特集 人工言語の世界 -- ことばを創るとはどういうことか)所収、大修館書店・発行

脚注[]

  1. 西垣通ジョナサン・ルイス『インターネットで日本語はどうなるか』岩波書店、2001年、144頁、165頁。

外部リンク[]

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